木の家工務店 住暮楽

エコなくらし 住暮楽な家づくり
ストーリー

リノベーション物語情報

住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。

思い出が息づくリノベーション

今住んでいるのが23番地、「住暮楽」にリノベーションしてもらって三月から住むのが26番だ。

26番地は七十年前、今は亡き祖父母が、娘(私の母)と暮らすために建てた家だ。母は26番地で大きくなり、結婚し、マンションに住み、私と妹を産んだ。祖父母は僧侶となり天橋立のお寺に移り住み、26番地は空き家になった。妹が産まれ(私は二歳)マンションが手狭になったのだろうか、四人で26番地に引っ越した。数年経って奥の部屋を増築したこと、台所のバナナがいつも入っていたカゴ、庭の紫の実を妹と穫ったこと、もくげの花をそうじする母。26番地で私も大きくなった。

母は病を患っていた。おそらく、私が産まれる前から。病名は摂食障害、患う期間が長いほど重症になる。26番地は昔の造りの家。ふすましかなく、個人的な空間はない。母は完全に一人になれる場所を求めていた。(今思えば)そこで見つけたのが、23番地。突然売り出された土地を買い、家族が完全に個室になれる造りの家を母は建てた。

引っ越しの日は、まだ元気だった祖父母が来てくれ、私が中学校に行っている間に、私や妹のものを運んでくれていた。母のすすめにより、父は職場に寝泊まりし、十八歳になると私と妹は家を出た。23番地は母一人、たまに私や妹が帰省するだけの家となった。

父に看取られて母が亡くなり、父が23番地に住むようになり、私が娘二人を連れて関東から戻り、23番地は家として機能し始めた。築二十年を超え、父がローンを払い終えた頃にようやく。一方、ながらく住む人を失った26番地はさびれた空気をまとい、庭の雑草は大人の胸の位置まで伸びていた(父が庭だけは手を入れるようにしていた)

妹が荒れ放題の26番地を見て「26番地をゲストハウスまたはシェアハウスにしたい」と言い始めた。当然、父に相談したところ、父は「26番地はいい家やで。人にかすなんてあかん。」ときっぱり言った。23番地をつくるときには何も言わなかった父が、23番地に住んでいても全く家にこだわりを持っていないように見えた父が、初めて見せたはっきりとした「家」への思いだった。さらに、「自分は冬以外は長野県に住んでみたい。23番地は維持しきれないだろうから、他者の手に渡し、26番地を住居にしてはどうか。」と提案まであった。

 

初めて、26番地にもう一度住むことを具体的に考えた。すぐに記憶の引き出しがあいた。二~三年前になるだろうか、26番地の隣家のリノベーション見学会に行っていたのだ。隣家はお世話になった老夫婦が亡くなられ、その後息子さんとお孫さんが住むため、リノベーションされていた。よくごちそうになったお菓子(おばあ様手作りのきなこあめ)の味を思い出しながら見学会に参加し、木のぬくもりや流れる「気」の良さ、それでいて変わらない住んでいた人の温度に感動していたのだった。

ただ、その見学会の会社名が思い出せない。「Kさんのリノベストーリー」も細かい言い回しまで言えるほど愛読していたのに。すぐに隣家のチャイムを押し、会社名「住暮楽」を教えてもらい、そのまま電話した。次の土曜日、八郎さんと洋介さんが26番地を見に来て下さった。悩みを伝える。

・家が傾いている
・雨もりする
・水回りが使える状態ではない
・階段がせまく、急
・階段まわりの空間の暗さ

悩みはあるが、好きな家だということも伝える。その日に提案されたのは「絶対ない」と思っていた台所の場所の変更。それも一番好きな部屋への変更。お二人に流れる「気」の良さ、なんて笑顔のすてきな人たち! もう「住暮楽」以外の会社は考えられず、そのまま設計図を書いてもらい、話を進め、工事を進めてもらった。

目からウロコの連続だった。一番は階段の向きを変えることだ。そうすることで、階段まわりの空間が生き生きし、太陽光が行き届くようになった。話をする中で

・将来の子ども部屋の持ち方
・防犯態勢をどうするか
・二階の住人(妹と父)との生活の分け方

などについても考えさせてもらった。工事が始まってからは現場監督の山﨑さんに細やかに見てもらい、提案してもらい、話をさせてもらった。全幅の信頼でした。子どもたちが「いくまん」と慣れなれしくて、ごめんなさい。大工さん、左官屋さんたちも、いつ行ってもにこやかに説明してくださり、子どもたちの質問にもていねいに答えてくださり、多くの人たちに家を作ってもらって幸せな限りだ。

資金に関しては母の遺産を使わせてもらった。病気がなければ、母も思い出のつまった大好きな家のはず、これ以上の使い道はないと思う。26番地は好きなところは補強以外はそのまま、悩みのあるところはゼロにするのではなく、プラスになっている。祖父母⇒両親⇒私たちに最高の形で引きつがせてもらった。娘たちに引きつげるかは分からないが、大切に日常を送っていきたいと思う。

(すみくらつうしん2019年2月号より転載)

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