こんな掘っ立て小屋みたいな事務所?


K様

 京都市伏見区深草 ★2009年6月完成

現在

住暮楽の家に住み始めて、十か月が経ちました。最初は白っぽかった杉の木も徐々に飴色に近づいています。
そんな我が家ですが、実はまだ完成を迎えておりません(笑)。

自然素材

京都に来て八年、断続的に家探しをしていました。当初は中古のリフォームも含めて検討していて、沢山の家を見て回りましたが新建材の家に魅かれることはありませんでした。私(妻)の建てたい間取りのイメージを夫に伝えるため訪れた○○良品の家では二十分で長女と私の気分が悪くなり、外に出ても吐き気がおさまらず・・

土地

そんな中、三年計画だった資金作りの一年目で、以前目を付けていた土地の建築条件が外れていることに気づき、それまで緩やかに回っていた家づくりの歯車が回転を速めることに。土地の値段が下がらないかと不動産屋へ行くと、隣の土地は駐車場で家は建たないとのこと。家と家に挟まれず、夫の希望通りの高さがあって見晴らしが良く広い前面道路という条件は、私たちの探しているエリアでは他にないとのことで、その土地がどうしても買いたくなりました。

住暮楽!!

時を同じくして、OMソーラーを知り、住暮楽のホームページにたどり着いたのですがホームページやブログで社長が書かれていたことに共感でき、OMの家を建てるなら住暮楽と、エコ好きの私はすぐに決めました。
そこで用意出来るお金で建てたい家が建てられるのか、まず相談してから土地を買おうと、住暮楽の事務所を訪れることに。しかし、改装前の事務所を目にした時の印象は

「え?こんなホッタテ小屋が事務所?」

住宅展示場は維持費が月に何百万もかかりますし、立派な資料や広告は必要ないと考えていた私でしたが、想像以上に小さな事務所に一瞬くじけそうになりました。
「ここでいいのか?」とドキドキしましたが、まずは話を聞いてみないと・・と意を決して中に入りました。
中でお会いした社長さんは、七福神のように優しいお顔に見えました。土地の話を進めていた不動産屋では、資金不足で無理だと言われ不安でしたが社長さんの「何とかなるでしょう」の一言で、歯車がかみ合い(土地と建物)、家づくりは一気に加速し始めました。


打ち合わせ!!

私の趣味は、インテリアや家づくりの妄想。建築探訪が大好きで、本も沢山読んでいました。それまでに住んだ五軒の賃貸住宅で、色んな間取りや家具の配置を経験していたので、作りたい家は決まっていました。
最初の打ち合わせの席で、家づくりについて熱く語る社長さんを遮り「それはわかるんですが、私たちの好みの家を建ててくださいね」と言ったところ少しムッとされた社長さんは「生活がかかってるんで建てますヨ」とのこと。正直、カチンときましたが、住暮楽で一番の家を建ててやるぞ!と心に誓ったことを覚えています(笑)
プランニングについて、私たちの場合はお金が無く、出来ることが限られたのが逆に良かったと思います。また、OMにしたことで、無理だと思っていた吹抜けも手に入れることが出来ました。


"建築家と建てる家"は夢のひとつでしたが、住暮楽は工務店でありながらセンスある設計をしてもらえることも魅力だと思います。一回目の打ち合わせで安心出来ましたし、二回目でほぼ希望通りのプランになり、その後は細部の調整を行うだけでした。打ち合わせの際、素人の、どんな些細な質問でも、いつも穏やかに、丁寧に答えてくれるのが有難かったです。

心残り!!

とは言っても、何もかもが初めての家づくり、今なら住暮楽のことも、スタッフさんたちの性格も分かっていて言いたい放題ですが(笑)、打ち合わせ中は、まだ遠慮があり言いだせなかった事もありました。(あんなに喋りつくして、まだあったの?と言われそうですが(笑)
細かな部分には触れませんでしたが、家づくりの途中で気にかかっていたのに伝えきれなかった部分は、その時にちゃんと確認すれば良かったと住んでみた後も思います。
言葉で伝えていても、伝わっていなかったこと、図面からは読み切れなかったこと、打ち合わせメモに残っているのに間違っていて、気づくのが遅かったためにやり直しも大変だし・・と諦めたことなどは、住みながら"チッ!"と思う事もあります(笑)。
小さなことでも、賃貸に暮らしている時から、自分の家ではこうしようと決めていたり、図j面に穴があくほど目を通してひとつひとつを何時間(何十時間?)も考えて決めていたことだったので・・・。
逆に建築中に思いつかず、後から気付いたことはほとんどありませんでした。例えあったとしても、それこそ仕方ないことなので、気になりません。

住み心地!!

多少、思い通りにいかないこともありましたが、引き渡しの時、社長さんから「ええ家になりましたね。」とニッコリ笑顔で言ってもらって、とても嬉しかったです。全くミスの無い家づくりは難しいと思いますし、なんと言っても社長さんの懐の深さが無ければ、今、私たちはこの家に住めていません。自然素材たっぷりの家は、深呼吸が気持ちよく、生活臭も浄化されているように感じます。
"夏涼しく、冬暖かい"という住暮楽のテーマは、エアコンなしで夏を、オイルヒーター一台で冬を過ごした私たちが証明できるかも?!
予算が足りず、まだ付けられていないOMソーラーの機構を早く入れて、もっと快適な家にしたいと思っています。その意味で我が家は「未完成」なのです。

スタッフ!!

スタッフ一人ひとりの事を書くには紙面が足りませんが、素敵な方ばかりでそれぞれの個性が上手く発揮されていると思います。全員のお陰で私たちの家を作ってもらったと思っています。

住暮楽の皆さん、ありがとうございました。そしてこれからも、よろしくお願いします。
 
(すみくらつうしん 2010年6月号より、転載)