若い二人のSweetHome

N様

 京都市左京区 ★2017年4月完成

新築を建てよう!

一昨年八月、我々夫婦(と猫一匹)は、数年空き家になっていた祖母の家に住み始めました。 便宜上一階北側の一室をリビング兼寝室として使っていたので日は当たらず、 おおよそ快適とは言えないもののまぁ暮らせるか、というものでした。問題が発生したのは、その冬。

「さ、寒い・・・・。」

 母曰く、築五十年は越えている建物はすきま風が入り込み、お風呂場は冷たく冷えて追い炊き機能もない、 居室はエアコンに電気ストーブを点けないと凍えてしまう。加えてこの家はよく見たら、ではなく 【よく見なくても】土壁四方に立派なひびが入っており、床はあちこちが心もとない。そういえば、 夏場には脱衣所で羽蟻が行進していたような・・・。 おりしも九州では大きな地震が発生。耐震のこともあり、新築を決意した次第でありました。

ハウスメーカーから住暮楽さんへ

まず、家のことは無知なので、何気なしに住宅展示場に行きました。その中で某ハウスメーカーの「蔵のある家」に私も妻も惹かれ、話しを進めていくことに。 耐震性と、蔵という隠れスペースの魅力、話しは順調に進んでいたように思います。 しかし、何度か会っていく中で少しずつ、営業担当の方への不信感が・・・先方さんも家を売るのが仕事なので仕方ないのかもしれませんが、 契約を急かすような対応にだんだんと嫌気がさしていきました。

そんな中たまたま職場の同僚と会う機会があり、彼が住暮楽さんで家を建てたこと、そしてその家は最高に良いことを語ってくれて、 住暮楽さんの事務所に伺おうと思いました。 後日一人で伺った際、私は事務所に着くなりその外観、扉の色、そして扉を開けた瞬間の木の香り、建物を包む空気に心が躍りました。 それから完成見学会や妻を交えて住まい教室に参加させてもらい、家づくりの考え方、制震ダンパーのことはもちろん、 身体が決して強くない妻を思うとなにより「自然素材の家」に魅力を感じ・・・ 私の中では住暮楽さんに建ててもらいたい思いが強くなりました。ただどうも妻の反応はそれほどでもない。 たしか完成見学会にひとりで参加した時に、洋介さんに妻を一緒に説得するようにお願いしたように思います(笑) 私の気持ちはすっかり、スミクラ営業マンでした。どれだけ妻に思いが通じたかは定かではないですが、無事、住暮楽さんにお願いすることになり、 妻への感謝として外観や内装など家の中身は妻の思いをなるべく優先していこうと考えました。

設計中のあれこれと完成まで

打ち合わせが始まり、事務所のあたたかな雰囲気、皆さんも感じているであろう「近所の兄ちゃん感」のような親しみやすさを持った洋介さん、 提示してもらった図面の中の【こもりスペース】というファンタスティックな響き、それだけでひとりウキウキしていました。 (何気なく話した「隠れスペース」への憧れを洋介さんが覚えていてくれたことも含め) ですが、妻はそうはいきません。芸術的な専門学校も少し通っていた彼女は、冷静でした。もともと妻は、考えごとがあると表情や話し方がぶっきらぼうに見えるため、 私は打ち合わせの端々で「住暮楽の皆さーん彼女は別に不満があるわけじゃないですよー妻はこういう顔でーす」と心の中で少しドキドキしたことを覚えています。 とはいえ大変頼もしい限りで、住暮楽さんでのムツカシイ話し(私は3Dで物事を想像することが不得意でイメージが湧かない)は 帰りの恒例になった餃子の王将(給料日後の場合は主に回転寿司)へ向かう車中で「あれはどういう話しやった?」と よく打ち合わせ内容の解説を妻にしてもらったものです。妻も住暮楽さんに建ててもらうと決めてからは「あーしたい、こーしたい」と、 芸術の血が騒ぐのか楽しんでくれているようでした。

工事が始まり、土台、棟上げ、内装と徐々に家が出来上がっていく様子は素敵な時間でした。 図面が立体になると、想像力に乏しい私も「なるほどなるほど」と頷いたり首をかしげたり、施主感を出し始めます。そして困ったことに、 妻に任せておけばいいものを、あーだこーだ言い出すのです(笑)おかげで現場監督の森さんと大工の北条さんには大変お手間をおかけしたと思っています。 キッチン戸棚の抜け感の件、こもりスペースの抜け穴の件、「この抜け抜け野郎」と怒らないで下さいね。今度又ビールを差し入れしますので。 そんなこんなで、我が家も完成見学会まで残り一ヶ月を切り、ラストスパートで職人さん方が日々勤めてくださっています。住暮楽さんに施工をお願いしたからこそ、 こうやって私のようなものでも家づくりを一緒にできているなーと実感できています。家づくりという長い道のりも、立ち止まることを許し、 手を携えて一緒にゴールに向かって進んでいただけて感謝しています。本当の意味で、住暮楽さんで建てて良かったと実感するのは住み始めてからでしょうから、 これからが楽しみです。家族の一員である猫も、現在は仮住まいの家で窮屈な思いをさせているので、今度は永住の地として自由気ままに走り回ってくれればと。 そんな楽しみもあります。(壁と床はあまり傷つけずに) 自分たちなりに熟考を重ねて建てた家です、これから建てられる方々の参考になれば幸いです。

打ち合わせ中、オープン前の住暮楽カフェでワッフルを試食させてもらっていました。 我が家は住暮楽さんの事務所に程近いので、今度はお客としてカフェにワッフルを食べに行きます。今後とも宜しくお願いいたします。

(すみくらつうしん 2017年4月号より、転載)