M様 |
京都市西京区★2016年9月完成 |
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家族のカタチが変わると家のカタチが変わる。リフォームを進めていく中で、忘れていたこの家での思い出がよみがえってきた。
この家の歴史は、父と母、そして兄の三人家族からスタートした。そして、途中父が自分で風呂場を作って、細かいところを父が新しく作り変えていった。 そんな家族に予想外の出来事が起こる。私の誕生である。突然の娘の登場により、家は手狭になり、私が幼稚園の時、父は増築することに決めた。 私が大好きだった家の柿の木は切られ、その場所は車庫となった。最初は非常に寂しくもう柿が食べれないかと思うと残念だった。 でも、新しい家ができていく中、私は自分の部屋を持てる喜びの方が大きく、また、自分専用の机を買ってもらってすっかり柿の木をことは忘れてしまった。 でも、時折、柿の木を思い出す。私の家の思い出。 四人家族の家が完成する。しかし、その後も家族のカタチは変わっていく。兄が就職を機に家を出る。 そして、その後私も高校進学を機に、家を出た。私が再び家に戻るまで、約二十年父と母の二人暮らし。私が戻ってまた三人暮らし。 しかし、父が亡くなり、ふたり暮らしとなり、現在に至る。
ここに家族が住んで約五十年、家にはいろいろ不具合が出てきた。母はいつも嘆いていた。「床が抜けそう」「あばら家だ」何かあることにつぶやく。 そんな母が、ある日突然決心をする。「家をリフォームする」 母は、大手の住宅メーカーに行くが、予算で収まらないと言われ、肩を落として家に帰ってきた。母は途方に暮れていた。リフォームは無理なのか、建て替えたらいくらかかるのか、 住宅広告を見つめながら悩んでいる。仕事上、なかなか時間の取れない私に気を使い、いや、気ままな娘に任せておけないと、自分で考え行動している母。 そんな頼りない娘ではあるが、少しは役立つところを見せなければと、私はインターネットでスーモカウンターに申し込みをした。スーモカンターでは、スタッフの方と話をする中で、 予算と、じっくりと話を聞いてくれる担当者と、そして木の家を得意とする住宅メーカーをリクエストした。
次回メーカーの担当者と打ち合わせという話でまとまりかけた時、ふと、一つだけ工務店の担当者にも会ってみたいと言った。 そこで、幾つか紹介された中に住暮楽さんがあった。幾つかのファイルのなかで、私が一番好みのタイプの色合いで家を作っている。私は、一目惚れに近い感覚を感じ、 住暮楽さんに来てもらうことをお願いする。 お願いする業者との面談は二日間にわたって行った。第一日目、一番最初が住暮楽さんだった。母も同席の中で、打ち合わせは進む。 「リフォームでもできますよ」最初にこう言ってくださったのは住暮楽さんだけだった。いい意味で商売っ気を感じさせずに、淡々と面談は進む。 面談が終わると母は満足そうだった。母も私も、最初の面談でほぼお願いすることは決まっていた。
我が家に来ていただき、話を進める中でだんだんと母が明るくなっていった。どんな家にしたいと聞いても、住めればいい。そんなことしか言わない母。 そんな母が強く要望したこと。それは、「木の家」それだけを私に言って、契約後の打ち合わせには出なかった。 そんな中、お任せしっぱなしで作っていただいた完成図は母の望むような木を感じるものだった。打ち合わせに出ない母は、テレビ番組の「ビフォーアフター」のように、 出来上がりまで楽しみにしておくつもりらしい。そして、母に何か尋ねると「あんたが好きにしたらいい」うちの母は肝が据わっている。 また、母と私は基本的に業者さんを全面的に信用し、プロに任せれば間違いがないという考えがある。だからこそ、どこに頼むかが我が親子にとって一番の問題であった。 その問題が解決したら、基本的に住暮楽さんにお任せだった。でも、いつもいただく提案は私たちが望む形であったし、母も楽しそうに住暮楽さんの話をする。 母にとって、話していて非常にフィーリングが合う。それが私は嬉しかった。気ままな私は、打ち合わせをするだけして、とっととセブ島に3ヶ月旅立った。 その間も、家の状況をいろいろ報告いただき、気ままなクライアントに対応してくれました。
今、母は「あと何日で帰れるのかなぁ」と一日一回は楽しそうにつぶやいている。出来上がりまで楽しみにしておくといった母は、たまに家を見に行っているようで、 その出来上がりを満足そうに私に話す。 母は言う。「人生って何が起こるかわからない。家を建て直すなんて、思わなかったわ」困った風に呟きながらも、どこか楽しそうに「あんな素敵な家に住めるなんて」 そして、最後に「あんたが決めた外装の色はちょっと変わっていていい。」 母が安心して過ごしてほしい。そして、そんな家に仕上げてくれている。出不精の母が一度、カフェに行かなきゃというぐらい住暮楽さんのことを気に入っている。 この出会いに感謝したい。 最後に、またいつの日か家族のカタチが変わる日が来る。その時、いつでも家族のカタチによりそってくれる住暮楽さん。長い長いおつきあいをお願いします。
(すみくらつうしん 2016年9月号より、転載)
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