F様 |
京都市左京区★2017年1月完成 |
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手狭になったアパート暮らしから、降って湧いた住宅購入の話は、即決だった。どこでもいいから引っ越ししたい、いや、そうではない。 無味乾燥な家屋ではつまらないし、学生時代から慣れ親しんだ一乗寺が居心地いいし…そう思っていた矢先、知人から、 近所の人が家を出るから一度見てみないかと誘われた。居住中であったその物件をしげしげと見に行った時 、2階の日当たりの良さと窓からの景色がとても長閑で、帰り際には家主の手を握って言っていた。「買いま………すッ!」(笑)。
さて。住む家は決まったものの、築17年の家は、所々小さな悲鳴を上げていた。せっかくならば、もっと暮らしやすく。 しかし、ネットや不動産屋に紹介された工務店は、こちらの注文に対して、アレモムリコレモムリと、全く言葉が通じない。 これが現実なのかと、こちらも諦め半分。そんな時、夫が住暮楽の話をした。その日の折り込みチラシに入っていたらしい。 連絡すると、電話では何だから事務所に来ませんか?と言われ、すぐに車に飛び乗った。
夏の終わりの加茂街道。北へ北へと進むと住暮楽の事務所がある。出迎えてくれたのは素足の八郎さんで、 頭のどこかで自分も裸足のような心地のいい錯覚をした。 拝聴に値する貴重なお話は、実は右から左、あぁ、予算オーバー! 悲しくも身分不相応だと思ったことを覚えている。 しかし、話はトントン拍子に見積もりをする約束をしてしまった。その後もトントン拍子は、全く鳴り止まなかった。 気がつけば今、その住暮楽の家に住んでいるのだから。
2階の眺めいいですね~。家主との契約を控え、今日明日にでも銀行に書類を出さねばならないタイミングで、見積もりの内覧をお願いした日のこと。 洋介さんのこの一言は、本当に嬉しかった。そして景観まで視野に入れて設計してくれた工務店は、他には無かった。 思ってもみなかった「2階リビング案(2階を天国に案だったか?)」に、無口な夫も、心の中ではワクワクしていたに違いない。 住暮楽ならば私たちの家を大切に作ってもらえる!もう一つ、密かな決め手となったのは、雑用でも積極的に動いてくださったこと。 その姿勢は家作りにも表れていて、事務所や現地での打ち合わせも迅速かつスムーズ、こちらの要望も とてもよく聞いていただいた。 それは住み始めた今でも変わらない。
いよいよ工事が始まり、様々な決断に迫られつつも、とても楽しく家作りができ、あっという間の3カ月だった。 予算という縛りがありながら、結果的に新築のような仕上がりになったのは、アイデアを絞り出してくださったみなさんのおかげ。 そして、いざ住んでみると、上手い抜け感が部屋を広く見せてくれていて、4人暮らしの小さな家でも全く圧迫感を感じない。 また、木の与えてくれる癒しの効能は、長男が、ええ家やなぁと呟き、連日、幼稚園から早く帰りたいと言っているほど(母的にはお残りをしてくれた方が癒し…)。 何より、耐震と断熱を強化して本当に良かったと思う。残念ながら、全てが断熱されていないため、如実に寒さを感じるとことがあるが、 今後も住暮楽と二人三脚で家作りは続いていくのだと思うと、それはそれで嬉しい。
改めて思う。子どもたちのその記憶の片隅に、自分が育った情景を覚えておいて欲しい。良い環境というのは、個室の子ども部屋を作ることではなく、 むしろみんなで食卓を囲むこと。高い安いの価値基準では、本質は見えてこない。住暮楽の家に住んで、その価値を感じるのは、二人の息子たちであろう。 私たちの暮らしは、彼らの生き方を示す地図となる。 木洩れ日が揺れる加茂街道。打ち合わせの後は、気分も清々しく。少し強めに。しかし、ご注意を。 スピードリミット40km/h。高い勉強代をお支払いなさいませんように。
(Fさんのお子さん作)
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