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住まいの実例

SUMIKURA WORKS

芸大出身のご夫妻の新築されたおうちは、玄関入ってすぐの空間が、大きなリビング兼ワークスペースなのが特徴です。
そしてその場所はそのまま、小学生のお子さん2人の育つ場所となっています。

父と息子の芸術的時間

【奥様】

コロナの自粛期間、私は出勤しないといけないことが多かったので、夫がよく子ども達と一緒に動いてくれました。コラージュしたり、外に絵を描きに行ったり。

【ご主人】

それと、美術館や博物館へ連れて行くようになりましたね。最先端の現代美術を見せたりとか。

小学生なんで流石に多少は解説しないといけないんですけど、ある程度名前の通ったようなものは、反応良かったですよ。

訳が分からず見てるんやけど、彼らも「ここが良かった」とか「こんなことあり?」と批評したりして。

【住暮楽】

それ、美大生の会話ですよ!(笑)

【ご主人】

後ね、僕がこの家の中で好きなのは、2階の本棚なんですよ。そこに寝室側から入ってくる光がめちゃくちゃに綺麗なので、そこで本をちょっと開くんですが、ここが実は子どもへのアピールの場でもあるんです。

子ども達を連れて行きたい展覧会があると、その少し前からその画家の本を出してきてそっと開いて置いてます。でもまあ見てるようで見てなかったりするんですけどね。

【住暮楽】

いづれ気づくようにならはりますね!

家で仕事ができたら理想的だなと

【住暮楽】

コロナのおかげで、色んな仕事が家でやりやすくなってきましたよね。

【奥様】

そうですよね。大学の授業でも、内容によっては家でZOOMですることがあるんですが、その最中に息子が「ただいま!」と帰ってきて(笑)。

「あ、今日はこっちに帰ってくる日と違った」とか言いながら、でも画面にちょっと顔を見せて、その後その辺で宿題してましたけど、それでもOKというか・・

【住暮楽】

そういうことに支障がない世の中になってきましたよね。

【奥様】

子どもが保育園の間は、園に任せっきりでよかったけれど、小学校に上がると、宿題を見てやったり、帰ってくるのを迎えたりしたくなるんですよね。そうすると、家で仕事ができたら理想的だな、と思うんですよ。
自分の作品をつくる時間を増やせるように動いていきたいです。

私ね、このリビング兼作業スペースで仕事をするのが好きなんですよ。ここで、外の景色を見ながら、子どもの動きを背中に感じながらね。そういう時は、子どもには背中を向けているくらいの方が、干渉し過ぎずいいような気がするんです。

【住暮楽】

それは、分かる気がします。応援しています!

デザイナーとパフォーマーの育つところ

【住暮楽】

まず、おうちを建てられてからのご家族の変化をお訊ねしたいと思います。ここに飾ってあるお兄ちゃんの作品が、小さい頃はラQだったのがペーパークラフトに変わりましたね。

【奥様】

今は折り紙ですね。前に、美術展で『超芸術折紙』という本を見つけて買ってやると、それを抱きしめながら帰ってきたんです。難しくて始めは苦労して、お父さんと一緒に考えながら折って・・最後は全部制覇しましたよ。

【ご主人】

彼はそうやって技術を身に付けるタイプですね。クリエイティブというよりも、彼はデザイナーなんですよ。

【住暮楽】

お子達が自分たちで物をつくるように、やっぱり意図されています?

【奥様】

環境はいいと思う。道具はいっぱいあってすぐ出てくる。でも、あんまり一緒にやるって感じではなくて。親に止められることがなくて好きなだけやっていいから、自分が好きでやっている感じです。弟はまた違うタイプで、ひたすら絵を描く。すごい量を描くんです。

【ご主人】

それと、彼はパフォーマーなので、漫画やアニメを見たら、身体を動かして、1人2役、3役するんです。僕たちが相手役をしたらダメなんですよ。入り込んで、毎日でも演じてる。

【奥様】

途中で止めちゃうと怒るんですよね。ストーリーがあって、終わりまでやらないといけないみたい。

【ご主人】

トイレに行くときは「一旦CM入ります」言うてるもんね。(笑)

自由になれる家

【住暮楽】

最後に、このおうちにタイトルを付けていただけますか?

【ご主人】

・・・それが、お題の予告をもらってから考えてるんですけど、まだ答えが出ていないんです。「仕切りがない家」とか。部屋の名前がなくて、リビングのようで作業部屋のようで、それをその都度変えながら8年間やってきているので・・・後は、「問いをくれるような家」というのも考えました。今は子ども部屋だけれど、子どもが大きくなるとどうなるのか?ロフトのマンガ部屋は誰かの作業部屋になるのか?後は「流動的な家」とか、完成していないということで「蛹みたいな家」とか・・ごめんなさい、決まらなかったです。

・・・そして後日「自由になれる家」というタイトルをいただきました。色んなことに囚われずに自由になれる、そういう意味を込めてくださったそうです。有り難うございました!

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