家づくりストーリー
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
市内が一望できるリビングに暮らす家
家づくりのきっかけと住暮楽との出会い
私たちが家づくりを考え始めたきっかけは、アパートの家賃を払い続けることへの漠然とした不安でした。2017年1月、相談カウンターからの紹介を受けて、賀茂川のほとりに建つ住暮楽の事務所にうかがいました。窓枠に切り取られた冬の風景と、暖房を消しても暖かく保たれた室内で家づくりへのこだわりを説く八郎さんの頼もしい姿は、今でもよく覚えています。
その日は完成見学会にも初めて参加させてもらいました。左右の家並みとは一線を画するおしゃれな佇まいや、木の温かみにあふれた室内、ロフトと結ばれた開放感のあるリビングなど、住暮楽の定番スタイルを体感することができました。けれど、他のハウスメーカーの家とのあまりのギャップに、予算に合うのかどうか、また無垢の家ならではのデメリットも思いやられ、住暮楽一筋、とはいきませんでした。
そもそも、家づくりにとって大切なのは、建物だけではありません。むしろ私たちは土地選びこそ第一と考えていました。地下鉄から徒歩圏内という条件で場所を探し、ある土地が目に留まりました。何度も現地を歩いて確かめ、ここに決めたいと思い、数社にプラン作成を願い出ました。このとき、住暮楽への依頼はしていませんでした。
打ち合わせに追われる日々から唐突な中断へ
打ち合わせに追われる日々が始まりました。自分たちの間取りの希望と、予算や厳しい風致規制、土地の性格など、わきあがる難題に折り合いをつける試みが夜遅くまで続きました。特に、風致の関係で外観が他の家と似たり寄ったりになることについては、どのメーカーもほとんど打つ手がないといった様子でした。妥協せざるを得ないようにも思えましたが、どうしても心に不満が残り続けました。そうした中、見学会で洋介さんと話をさせていただいたことをきっかけに、ついに住暮楽にもプラン作成をお願いすることになりました。3月に入り、忙しさは頂点を迎えるかにみえました。
ところが、その日々は唐突に断ち切られました。購入を希望していた土地が、先に買い付けられてしまったのです。仕方のないことですが、悔やむ気持ちは尽きませんでした。また、土地が無くなったと知るや、何度も打ち合わせを重ねてきたメーカーは軒並み私たちとの交渉から手を引いてゆき、まるで翻弄されたかのような、やりきれない気持ちが後に残りました。
住暮楽との再会
土地の件で洋介さんに連絡を入れると、「せっかくなので、一度プランだけでも見てみませんか?」と提案され、今や幻となったプランを見せてもらうため、傷心のまま事務所を訪れました。そのプランには、間取りのポイント一つ一つにコメントが付され、私たちの生活をイメージして丁寧に作ってくださったのだなと、本当に感動しました。帰り道、住暮楽で家づくりをお願いしたいという気持ちが高まりました。それは半ば、自分たちへの慰めだったかもしれません。家づくりを進めるには、あてのない土地探しをクリアする必要がありました。
けれど翌月、私たちの家づくりは一気に進展することになりました。見学会の場で、八郎さんから、住暮楽のお客さんがかつてお住まいだった西賀茂の土地を紹介されたのです。それまで西賀茂エリアを検討したことはありませんでしたが、実際に足を運んでみて、生活の便利さや、のどかな雰囲気を実感しました。なにより、比叡山から大文字山への連なりを一望できる立地が気に入り、ここに決めたいと思いました。その土地を買うことは、住暮楽で家を建てることを意味していました。
今の思いを形にしすぎない
他の住暮楽ファンの方と比べて、私たちに強いこだわりがあったとは思いません。むしろ、プランを作る際に気をつけていたのが、今の思いを形にしすぎないということでした。私たちがどんな趣味を持つのか、健康でいられるのか、子どもはうまれるのか、いつまでここで暮らせるのか。まだ見ぬ暮らしに思いを馳せて、どのような形でも幸せに暮らしてゆけるような、そんな余地を残したいという気持ちで図面を見比べていました。
工事が始まってからは、打ち合わせ通りに壁や家具が取り付けられてゆき、少しずつ家が完成に向かう姿を見て、毎日わくわくしています。この楽しみは、住暮楽で家を建てる人だけの特権でしょう。
家づくりは人の仕事
今年二月の上棟のとき、たくさんの大工さんが協力して柱や梁を組み合わせてゆく様子を見て、家づくりは人の仕事だと、強く感じました。私たち二人もその一員のはずですが、何事もスローで、現場監督の山﨑さんをはじめ、皆さんにご迷惑をおかけしてしまいました。この文章を書いている今も、決め残していることがたくさん…ごめんなさい。私たちのペースにお付き合いいただいて、どうもありがとうございます。
(すみくらつうしん2018年6月号より転載)