家づくりストーリー
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
アウトドアリビングで家族の団欒を楽しむ家
住暮楽さんとの出会いは偶然とタイミングのなせる業、まさに「災い転じて福となす」を地でいくものでした。家を建てるということがこのように始まるとは予想もしていませんでした。
始まりは、タウン情報誌に「京都でかなえる家づくり」という冊子の無料送付の記事を見て取り寄せたことからです。当時私たち夫婦は退職まであと二年、退職後は寒くて暑いこの家を何とかしたい、息子家族や親せき、友人が集える家にしたい、と思っていました。忙しい日々からの逃避行動的に、どんな家がいいかなあと想像するのは楽しく、冊子をぱらぱらめくっている中で、木のやさしい雰囲気を存分に味わえる家を建ててくれそうな工務店さん五~六軒に絞りカタログを取り寄せました。しばらくはそのカタログを見て夢見るだけでしたが、そのうちに見学会の案内が数件届きました。
たまたま近隣で見学会があり娘と行ってみることにしました。それが住暮楽さんの家だったのです。木と漆喰の壁が心地よく、子ども達のためのボルダリングの壁など楽しい要素もあり、若いご家族が生活される様子が何ともほのぼのと想像されてうらやましく思いました。そこへ八郎さんが断熱性能の素晴らしさを熱意をもって語られるのです。暑くなく、寒くない家?これぞ私達の求めていたものではないか。私の頭の中で、住暮楽さんにしっかりと☑が入りました。しかし、その段階ではまだ夫と相談する暇もなく、退職後にゆっくり考えようと心の隅に押しやり、現実問題とはなっていませんでした。
そして2018年9月、あの台風21号がここ京都を襲ったのです。夜中経験したことのない暴風が吹き荒れ、すごい風の音とものの壊れる音。朝外へ出てみると、どこから来たのかわからないガラクタで庭は大荒れで、我が家自体も多くの瓦、トタン屋根が吹っ飛んでいました。これはたいへん、瓦だけでも何とかしなくては、と瓦業者さんに電話をしたのですが、50件待ちと言われ途方にくれました。藁をもつかむ思いで、住暮楽さんに聞いてみようか、と思い立ったのです。そしてどうせならこの際建て直す前提で相談をもちかけようと夫と話をしました。まだこの先どうなるかはわからないけれど、という前置きにもかかわらず、すぐに屋根の応急手当てに来ていただき、ほっと胸をなでおろしたのを覚えています。
そしてさらに背中を押される出来事が。見学会以来送って頂いていたすみくら通信の中に、おいしいお米を販売中というOBさんの記事が目に飛び込んできました。これはまさしく知人のOさん、あの素敵なカフェ兼お家は住暮楽さんの家だったのか、と知りました。すぐにOさん家へ報告に行き、住暮楽さんの家はいいよ~、と太鼓判を押され、巡りあわせの不思議さに驚くやら、感心するやら。そんなこんなで、退職してすぐに設計に取り掛かってもらう、ということになったのでした。
洋介さんにいろいろ思いを引き出して頂きできあがったカラーの図面は本当に素敵で、なぜか当たり前のように設置されている鶏小屋に盛り上がったりしながら家について話すことは本当に楽しいものでした。「アウトドアリビングで家族のだんらんを楽しむ家」という絶妙のキャッチコピーは、まさしく私達の老後の生活のあり方を表したものでした。毎回の打ち合わせも、次は何かなと楽しみで、決断力のない私達の話に気長に付き合って頂いた事が、家作りってこれだけ希望を紡いでいけるのか、と新鮮な驚きでした。てんでバラバラの私達の希望を取捨選択し現実的な方向へ導きうまくまとめて頂けたのではないかと思います。特にOMXシステムで暖かさは十分なのに、薪ストーブを設置し周りに煉瓦を積むという長年の夢は、洋介さんの「いいんじゃないですか」の一言がなければ実現しなかったと思います。
着工後は、現場監督の山崎さんから工事の状況の説明を受けながら、細かな打ち合わせを重ねました。あこがれてはいても「住暮楽」的センスに乏しい私たちの最後の決断をする時の頼もしい存在として、今もやり取りの真最中です。最近は仕事が終わり会えなくなった大工の北條さんの、黙々とした仕事ぶりにはすべて託せる安心感がありました。お人柄が木のぬくもりに表れているような感じがします。他にも多くの方々の手で、一軒の家が建てられていくのを目の当たりにすることができ、本当に幸せな時を過ごすことができました。それもスタッフの皆さんが家づくりの喜びを我が事のように楽しんでおられるのを感じることができたからだと思います。仕事への姿勢をも学んだ気がします。
退職後の生活を充実させてくれた「家づくり」の日々の終わりが近づいてきたのは少し寂しいですが、住暮楽さんの皆さんには、完成までの今しばらく、いえ完成後も、家を通じてお付き合いをお願いしたいと思います。心からの感謝をこめて、御礼申し上げます。
(すみくらつうしん2020年4月号より転載)