家づくりストーリー
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
光あふれる陽だまりの家
深閑とした夜の線路沿い、自転車のペダルをこいで路地に入ると、日々完成に近づく「我が家」が。仕事帰りの少しの遠回りは、疲れを癒やすルーティンとなっていました。きょうは何が変わっているかな。ささやかな変化を楽しむ自分がいました。この1年あまり、家造りの醍醐味を十二分に味わわせていただきました。「住むほどに暮らすほどに楽しい家づくり」。住暮楽さんのキャッチコピーに勝手ながら付け加えさせてもらうと、「住む前から楽しい、家づくり」。早くも、幸せだなあ、とかみしめています。
思い返すと、家探しを始めたのは、来春には中学生の長女が小学生になった頃。3人目となる長男が生まれ、今住む賃貸の部屋では、家族5人が枕を並べる四畳半の寝室が手狭になるのは時間の問題でした。
そうして、多くの方と同じように必要に迫られて家を持つことを決めたのですが、勉強不足な私たちは、「それなりに広くて、共働きの私たちが通勤しやすく、子どもたちも遊べる緑いっぱいの庭がある家を」と漠然としたイメージだけでスタート。普段通る道で見かけた物件や、新聞折り込みのチラシに載った物件を見ては現地に突撃したり、大手の不動産業者にアポなしで押しかけたりしていました。
でも、やっぱりそんな知識もない状態ではダメなもので、「こないだ見た中古の和風平屋、いい感じやったなあ」と話しながら、予算オーバー気味でためらっているうちに先を越されたり、大手不動産の営業マンの少々強引な態度に疲れて、情報収集を一時中断したり……。土地だけでなく、新築なのかリフォームなのか、方針が定まらないまま迷走していました。
そうして5年近く経った頃、転機が訪れました。縁あって親しくさせてもらっていた上野さんから、「一度うちを見に来ませんか」と誘われたのです。見学をさせてもらったあの日のことは今も忘れられません。足裏に伝わる無垢の木の床の快適さ、無駄がなく考え抜かれた間取り。不思議と心が落ち着きました。こんなにステキな家を造る住暮楽さんに我が家をお任せしたい――。迷いが消え、進むべき道が見えました。土地探しも、生活圏を変えたくない、との妻の意見もあって近所に絞り込みました。
勢いをつけた私たちは、住まい教室に参加し、自然素材を使いながら、断熱を追求する考え方に共感。会長さんの柔らかな語り口にも魅せられ、お願いするなら住暮楽さんで、との気持ちがますます強くなりました。
以降は気に入った物件があれば、会長さんや洋介さんに現地を見てもらい、長所短所を交えた率直で的確なアドバイスを踏まえて検討を進めました。また、身の丈超えの物件に手を出しかけて相談すると、洋介さんからファイナンシャルプランナーを紹介してもらい、財務面でもサポートを受けました。おかげで、私たちにとっての適正な予算額が見え、おのずと自分たちが手を出せる敷地と建物の規模が定まっていきました。それでもなお土地探しは難航しましたが、良心的な不動産屋さんの力添えもあり、今の土地にたどりつきました。
それにしても洋介さんとの打ち合わせ、楽しかったなあ。印象的だったのが、緑の外壁に赤色の玄関扉を選んだ私たちに、洋介さんが笑いながら言った一言、「『バムとケロ』に登場するような家になりますね」。子どもたちに読み聞かせた色彩豊かな絵本の中に住めるようで、最高のお気に入りのコンセプトになりました。
そして、最初のプランの素晴らしかったこと! ラミネート加工された図面は今も宝物です。残念なことに日当たりが想定より望めず、リビング1階の当初案から2階案へと変更を余儀なくされても、「浴室を1階から2階にしたい」と私たちが無茶な希望を申し出ても、洋介さんはいつも爽やかに「大丈夫ですよ」。素人の私たちが気安くリクエストできたのは「ちゃぶ台返し、してもらって構いませんよ」と受け止める、洋介さんのおおらかな対応があればこそでした。リビングと一体になるインナーバルコニーと、ダイニング据え付けのベンチは、洋介さんに考えてもらった私たちのこだわりのスペースです。
いよいよ5月に着工。現場の進捗を目配りする山崎さんの丁寧な差配にはいつも感嘆させられました。図面を実物に落とし込んでいく過程で、想定していなかったポイントに対する、先回りしたアドバイスと提案の数々。建具の並びから洗面台の角がはみ出そうだと指摘して、一回り小さいサイズに変えてくれたこと、リビングの収納棚を二転三転させる私たちに根気強く応じてくれたこと。山崎さんの提案には、私と妻も信頼して「それでお願いします」とお任せできました。
そして、上野さんの絶妙な多くのアシストには本当に助けられました。この場を借りてお礼を申し上げますね。
住暮楽さんにお願いして良かった。心からそう思えます。新たな暮らしの場を一緒に考え、つくっていただいた住暮楽の皆さんに感謝いたします。これからも末永く、気持ちの良いおつきあいをよろしくお願いします。
(すみくらつうしん2021年10月号より転載)