”好き”に囲まれて人生を300％楽しむ家

散歩の途中に乳母車を押しながら不動産屋の店先に貼り出された広告を見ていると、店内からその様子を伺っておられた不動産屋さんからの「ちょっと話だけでも」とのお誘いのおかげで、家を建てるぞという意気込みを全く持ち合わせていなかった我々が、あれよあれよという間に土地を購入することになりました。

出されたお茶も遠慮なくいただき、その日のうちに物件を案内してもらうその様子は、今思い返すと好き好んで鍋に飛び込むカモそのものです。
土地購入のための住宅ローンの申し込みに必要な建築請負契約書を作成していただくために、不動産屋さんに洋介さんを紹介してもらうことになり、作成していただいた書類を銀行に提出し、土地を購入することとなりました。

その頃、我々家族を取り巻く環境が大きく変化し、じっくり考える間もなく土地の購入を決めたこともあって、支払いに対する不安も大きく、本音を言うとその先の家を建てるということに対して頭も心も追いついていませんでした。

過去の家づくりストーリーを拝見すると、土地購入に苦労されたり、色々調べて比較した結果、やっと住暮楽さんに辿り着いたという方が多くおられましたので、今にして思えば流れに任されるままに土地を購入し住暮楽さんと巡り会うことができたのは、大変幸運なことだったのだと思います。

住宅展示場や他の工務店さんの内覧会等を見ることもないまま、そのまま住暮楽さんにお願いすることに決めたのですが、そのご縁に関しては不思議と何の違和感も感じませんでした。
おそらく人生で一番大きな買い物になるはずなのに他と比較検討しなかったのは何故だろうと考えると、やはり洋介さんの能力や人柄によるところが大きかったのだと思います。

建築に関する知識のない我々の無理めな要望や打ち合わせ中の場当たり的な思いつきにも、こちらの思いを汲んだ上で丁寧に説明していただき、打ち合わせを重ねる中で何度も何度も図面を描き直していただいて、本当に納得のいく設計図を作っていただきました。

夫婦の意見の相違を角が立たないようそれとなく調整してもらったこともあったと思います。
他の工務店で家を建てた人から話を伺うと、疑問に対してそれはこういうものなんですとあしらわれたり、打ち合わせに回数制限があったり、じっくり考える間もなく話が進んでしまい、最終的に後悔することが多々あるようですので、「ちゃぶ台返しも受け付けますよ〜」と笑顔でおっしゃる洋介さんに設計を頼んで本当に良かったと思います。

打ち合わせと並行して、見学会に足を運んだり、偶然住暮楽さんで家を建てていたことを知った友人に自宅を見せてもらったりして、住暮楽さんの家は経年劣化するのではなく、経年変化を楽しめる家になると確信を持ちました。

また、洋介さんのご自宅を一目見た途端、良い家だなぁと感じ、こんな家を建てられる人に自分の家も任せたいと思いました。
設計をお願いした当初は、自身の年齢的なこともあり、金利上昇の可能性に対する不安もあったので、極力予算を抑えるよう自制したい気持ちが強かったのですが、打ち合わせを重ねるうちにどうせなら後悔しないように良い家にしたいと心境も変化し、ギアを上げるのが遅くなりましたが、最終的にはかなり前のめりなぐらいの気持ちにもさせてもいただきました。

そして打ち合わせが概ね終了し、無事に上棟も済んでからは何度も現地に足を運びましたが、現場監督の森さんや大工の北條さんに忙しいなか作業の手を止めてもらって色々説明を聞かせてもらいました。その度に色々な発見があり、実物を見ることにより現実味も増し、期待に胸が膨らみました。

夫婦で塗った漆喰壁も仕上がりはかなり荒くなりましたが、とても気に入っています。

建築が進んできてからも懲りずに「やっぱりここをこうしてほしい」だとか「ここの部材をこれにしてほしい」などといった要望を急に出すことも多く、工程を管理しておられる森さんや発注担当の藤田さん、舌さんには大変ご迷惑をお掛けしてしまいましたので、ここで改めてお詫びとお礼を申し上げます。

引き渡しまでひと月を切った今は、完成が楽しみで楽しみで仕方がないのですが、こんな思いをさせていただき、住暮楽の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
完成が待ち遠しい反面、何故か少し寂しい気もしますが、これから実際に暮らしを始めるにあたって、共に年月を過ごし手間暇をかけて良い家に育てていきたいと思います。

正直少し面倒臭い客だったと思いますが、我々の家作りに携わっていただいた住暮楽の皆さんは本当に感じの良い方ばかりでしたので、安心して甘えることができました。
それぞれの受け持ちで質の高い仕事をされるのはもちろんですが、押し付けではなく終始こちらの要望を汲み取って出来る限りの対応をしていただけるところが本当に素晴らしい工務店さんだと思います。

お身体に気をつけて、人に喜びを与えるお仕事を続けていかれることを我々家族も応援していますので、今後も良いお付き合いをさせていただけることを望んでいます。
本当にありがとうございました。

（すみくらつうしん２０２４年１月号より転載）