家づくりストーリー
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
愛妻に贈る家
持ち家は『今でしょ!』
長らく市内の中心街で賃貸マンション暮らしをしてきた我が家に大きな節目が訪れようとしていました。一年半後に長男が中学校、同じく次男も小学校卒業というW卒業を迎えることです。年々かさ高く成長する息子たち、 加えて「狭い。環境が悪い」と毎日のように溜息をついている妻の限界もひしひし感じていた。折しも、テレビから聞こえてくる『今でしょ!』と人気の予備校講師のフレーズが私の心を突き動かす。 妻は幼少から牧歌的な土地柄でスクスク育った質。高島屋まで徒歩数分の距離で育ってきた私とは成育環境が違いすぎ、住居に対する価値観も、当然大きな隔たりがあったと思います。 (妻はこの時点では、間違いなく持ち家なんて諦めていた)結婚以来、仕事を絶えず優先してきた私が言うのもおこがましいが、最近めっきり老け込まれた両親と電話越しに会話している妻の後ろ姿には、どことなく寂しさを感じる。 反抗期ただ中の長男も、春先、妻と里帰りから戻って来るや、実家に滞在している時の妻は本当に楽しそうだったと耳の痛い報告をしてくれる。子供たちの住環境、妻の気苦労、更には消費税増税の波もすぐそこに・・・。賽は投げられた。
よし、家を建てるぞ!
土地の当ても何も無いまま、私は家族に宣言したつもりが、案の定、出任せ程度にしか受け取られなかった。(全く信用されていない。日頃の行いのつけであった。) その日を境に、本気度をアピールするため、これ見よがしに住宅雑誌、広告、専門書の類を枕元に並べていった。その功奏してか、漸く定番の住宅展示場に家族で足を運ぶようになりました。会場内にそびえ立つ住宅の、やたらにだだっ広い間取りに違和感を覚える親を尻目に、子供たちは開放感いっぱいに喜々と戯れておりました。もはや後戻りはない。 いつしか我が家は、他府県にまでも足をのばす「いい家求め隊」に変貌していました。殊に妻は私の何倍も情報収集に励み、本当に家族にとっていい家とは何かを追求しておりました。
土地ゲットは突然に
栗東市に両親と二世帯住居を構えていた妻の妹が「すぐ近くに(ホンマに近い。妹宅から徒歩20秒!)分譲物件が出てるよ」と不動産のチラシを提供してくれた。天孫降臨、ビビビッときました。 (妻を見初めた時と同じくらいのビビッ)「これだ!」と即断即決。しかも妹宅に一番近い物件だけが建築条件無しで南向きの角地。早速、不動産屋に問い合わせると 「もうこんな物件は四、五年出ない」と太鼓判を押されるや、勢い込んで一発交渉成立。「やった!」何だか山頂に旗を突き立てたアルピニストの高揚感を味わった瞬間でした。
妻が白羽の矢を『住暮楽』に
おそらく、もう見に行きたい住居も尽きた頃、さてどの会社に選定するのか?事はこの一点に懸かっていた。この頃、各社から取り寄せた資料が所狭しと室内に散乱する有様。 妻の住宅選びの目は研ぎ澄まされていた。私が「ここも良いね」「あそこもなかなかじゃない?」などと軽く進言しても妻は一向に首を縦に振ろうとしない。そうこうする内に越年し、 京の底冷えも本番に。二月に入り、「寒い、寒い」を連発する。至って寒がり屋の妻が市内の極北、左京区岩倉に完成見学会に行こうと持ち掛けて来た。 そしてそれこそがわたしたちと「住暮楽」との未知との遭遇(ちょっと古いですね)でした。 ナビを頼りに、粉雪舞う山際に建つ漆黒の家にようよう到着。寒さを凌ぐように一目散に車を降りて室内に駆け込むや・・・。
と、そこに「住暮楽ワールド」が
何と玄関に一歩足を踏み入れるや、本物の薪をくべた暖炉が私たちを優しく出迎えてくれました。床の杉板の温もりが冷え切った足に心地よい。室内から醸し出る木の香り。採光の妙。 無駄のない動線。屋根に向かってそそり立つOMソーラーの円筒形のダクトは写真で見るよりずっと存在感がある。 ダンディーなロマンスグレイの紳士(社長の八郎さんでした)に、矢継ぎ早に次々質問を繰り出す。一つ一つ丁寧かつ的確にご説明下さる。 居合わせたスタッフのほのぼのとした営業らしからぬ対応にも終始感服。妻を見遣ると、スタッフの方々(祐子さん、上野さん)と打ち解けすっかり上機嫌。 最後まで居残っていた私達は「構造」「断熱」「換気」と言う家作りの三大要素に真摯に取り組むチーム住暮楽にもうすっかり魅了されていました。帰路、妻とは暗黙の目配せで十分でした。
いよいよ設計
数日後、妻と私は住暮楽さんの事務所内で「住まい教室」に参加しておりました。社長直伝の講習は三時間あまりに及びましたが目からウロコの連続。 日を改め設計の高田さんと打合せを重ねるたびに、私達の拘りにも悉く応えて下さり、「家族の好む物より家族のためになる物を」という徹底したコンセプトで図面を書いてもらいました。
着工から間もなく完成
晴天に恵まれた地鎮祭に続き、地盤改良、上棟、木工事とスムーズに事を運んで下さり、完成まで残すところ一ヶ月となりました。 二人の子供たちのダブル卒業を控え、現場へ出向く回数は限られていましたが、訪れるたびに、猛暑や極寒の中、懸命に作業して下さっている現場監督の森さん始め、何度も現場で進言してくれる洋介さんにもただただ感謝いたします。 何つけても惜しみなく時間を割いて寄り添っていただいた祐子さん上野さんに妻はずいぶん助けて頂きました。これからもよろしくお願いします。 末尾に、住暮楽さんを選んでくれた妻の慧眼に心より感謝いたします。
(すみくらつうしん 2014年4月号より、転載)