リノベーション物語
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
築50年の実家を住み継ぐ家
祖父母が暮らした家
今回、住暮楽さんにリフォームしていただいた家は、1968年に祖父母が前の持ち主から買い取って暮らしていた家でした。購入時に、たしか築五年くらい経っていたと聞いています。 私の父は、大学の三年生の時から大学院を終わる頃まで、約七年程この家で暮らしていました。七年前に祖母が亡くなってからは、空き家の状態でした。そして六年前に母が死んでからは、 父と私と二人でこの家に引っ越してこようといい続けながらも、なかなか腰が上がらず、ぐずぐずしていたのです。人が暮らしていないと、家はどんどん状態が悪くなるようで、 数年前からは居間の畳がブカブカし始め雨漏りで天井も痛み、ついには床まで抜けてしまうほどの荒れた状態になっていました。 早く修繕しなければいけないと思いつつも、家のことを考えるのがストレスでもあり、つい先延ばしにしてきたのです。
ご縁で住暮楽さんに
そんなとき、父の昔のご縁で住暮楽さんにお会いしてリフォームを相談させて頂くことになりました。実は母が生きている頃、 この家のリフォームプランをある業者さんにお願いしたことがあります。その時は設計だけでも驚く程の値段がかかり、プランも私たちにとって魅力的ではなかったので、 結局はキャンセルして、嫌な思い出だけが残りました。そんなこともあり不安が大きかったのですが、この度岸本八郎さんと祐子さんご夫婦の親切さに、 父も私もすっかり安心し、トントン拍子に話が進みました。 今までの六年間は一体なんだったのだろうと思っているうちに工事も始まりました。お二人には、いつも親身になって私たちの新しい生活空間を考えて下さり、本当に感謝しています。
あきらめから希望へ
本を置く場所の問題が、私たちにとっては一番厄介な問題でした。 父は3年前に大学を定年退職しましたが、仕事柄、大量の本があります。私も大学院生で研究を行っているので、本が一番大事です。 また、愛書家だった祖父の遺したたくさんの蔵書もあります。それだけの量の本がきちんと収納でき、かつすぐに手に取れる家、それが私たちの理想の家でした。 けれど、当初は床まで抜けてしまった家の状態からそんな理想の家はあまりに程遠かったこともあり、とりあえず抜けた床を繕い、雨漏りを最低限防いでもらって、 なんとか住める状態になればそれでよいと思っていました。以前相談した業者さんは、リフォームで間取りを変更することは一切出来ないとおっしゃっていたので、 間取りの変更もあきらめていました。住みにくくても祖父母からの大切な家だから、我慢しなきゃいけないかなと思っていたのです。けれども、住暮楽さんと相談していると、 この家も住みやすい、魅力的な家になるのかもしれないという希望が見えてきました。結局、思い切って一階部分を全面的に改装することになったのです。
新しい間取り
八郎さんが新しい間取りのプランをもって来て下さった時には、驚きました。私たちにとって理想的な書庫までちゃんと作れるとのことだったからです。 必要以上の広さがあったキッチンをまるまる書庫にしてしまうという案には、さすがプロの方は考えることが違うなと感心しました。 キッチンは畳だった居間をフローリングにしてダイニングキッチンにします。 広すぎて無駄に思っていたお風呂場やトイレも、コンパクトに収めてもらい、その分だけ書庫も広くなりました。他にも、ガレージなど色々と使い勝手の悪いところも良くして頂けるとのことでした。
進んでいく工事
いざ解体工事が始まると、荒れていた家の状態があらわになってきます。床下はシロアリにやられ、雨漏りのせいで柱がすっかり腐敗していたり。 他にも、これまで気がつかなかった不都合な点が色々見つかりました。住暮楽さんは毎回一つずつ詳しく説明して下さって、丁寧に工事を進めて下さいました。 毎週日曜日になると父と二人で工事の進み具合を見に行くのが習慣になりました。少しずつ進んでいく工事の様子からは、とても丁寧にして頂いているのがよくわかります。 住暮楽さんご自慢の断熱もしっかりして頂き、その施工の様子を見せてもらうといかにも冬暖かそうで楽しみです。 低かった居間の天井はすっかり高くなって、部屋が広く感じられます。そして何より、広くて使い勝手のよい書庫にどんな風に本を並べようか、 頭の中であれこれ考えながら工事が進んでゆく様子を見ることは週に一度の楽しみでした。
さいごに
工事の様子を毎週見て来たので、目に見えない部分がどのようになっているのかがわかります。 毎日生活することになる空間ですから、そのことがとても心強く安心に感じます。長いこと放ったらかしになって荒れていた家をこんなに素敵な空間にしてくださった住暮楽さん、 本当に感謝しています。そして、いつお会いしても、元気一杯の祐子さんの笑顔に毎度元気をもらいました。お世話下さった皆さん、どうもありがとうございました。 末永くこの家で暮らしてゆけるように、今後ともどうぞよろしくお願いします。
(すみくらつうしん 2014年12月号より、転載)
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