リノベーション物語
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
緑を楽しみ書に親しむリノベーション
結婚して十八年、西日本の各地を転々として暮らしてきた私達ですが、子どもの進学を期にマイホームを持つことを考えるようになりました。
庭は必ず欲しい!そして薪ストーブのある家になれば素敵だなあ…と物件を探し始めたところ、すぐに理想的な古家つきの土地に出会います。ところが急遽売り手側の都合により白紙撤回となり、その後はどの物件も帯に短し襷に長し…と、なかなかこれという物に巡りあうことなく、どうにもならない日々を一年程過ごしました。
その間京都へと住まいを移し、夫婦それぞれが親を看取り・・・と、激変する私生活の中、心機一転、京都での家探しをスタートさせることになります。
物件を見学した日のこと、なかなかうまくいかないね、とうつむいて歩いたその道すがらに小さな看板を見つけました。
「住暮楽 モデルハウス見学会」
とてもささやかな案内表示でしたが、そっとそばにいてくれるような、そんな温かみを感じました。その場でホームページを検索し、見学の予約を取りました。
足を踏み入れたモデルハウスは、理想を凝縮したような素敵なおうちで、私達は難航する家探しがここから新たな段階に進む事を確信しました。他社と比較検討すること一度も無く、工務店は住暮楽さんにお願いしよう、と即決したのでした。
そこからは土地探し。今までは大海に放り出された小舟の気分でしたが、今度は洋介さんにアドバイスをいただきながらの道行です。理想との折り合いをつけ、ようやく今の土地に巡り合いました。
まさに京都らしい隣家と密接した土地ですので、夢だった薪ストーブ暮らしは諦めることになりました。それでも、木を植え植物を育てる暮らしは叶うだろうし、何より子どもの通学が安心なこと、現在の住まいからも近く、暮らしの立て方が想像できたことが決め手となりました。
さて、そこに建っていた古い家は、時間に取り残されたような状態で、家の中にまた家がある不思議な物語のあるおうち。幻のような妖のようなその姿には、大変驚かされましたが、そこは洋介さんに丁寧に思い切りよく手を入れて頂き、すっかり整えられ、信頼できる家へと生まれ変わることになります。
南北に細長く細かく仕切られていた一階部分は、すべて壁を取払い、新しく作り変えることになりました。念願の庭は日当たりの望めない北庭ですが(シェードガーデンにしよう、と樹種を調べ植栽プランに余念ありません)、その庭に面した一番奥のスペースは家族がそれぞれに居場所を作れるゆったりとしたリビングとなりました。
我が家はいろんな収集癖のある一団なので、リビングに私物が雪崩れ込むことを阻止するべく、テレビボードをなくし、壁を作ってその裏側に収納スペースを設けてあります。住暮楽ハウスの特徴であるSHIPスペースも、おなじく壁の裏側へ。残りのスペースでは子どもがおもちゃを広げたりヨガをしたり、ハンモックを吊るす予定にもしています。
キッチンはちょうど真ん中に。数人で囲んで利用できる広めの作業台をオーダーしました。明かり取りの大きな窓の外には大好きな苔や羊歯を植えられると良いのですが…。
玄関まわりには土間収納や洗面バストイレがギュッと凝縮して並んでいます。洗濯機置き場は二階にあげて、その分脱衣所の収納スペースを確保しました。建具に思い出の品を利用したり、スイッチにこだわってみたりと、ギリギリまで細かな要求に答えていただきました。
二階は大きな間取りの変更はないものの、洗面トイレスペースを撤去してホールに。本棚とともに、読書を楽しむ空間となりそうです。ファミリークローゼット内に洗濯機を置くので、換気のための窓をつけていただきました。子供部屋、主寝室ともに配置はもとのままですが、入り口の仕様や天井を抜いてもらったりと、気持ちよく暮らせるよう作り変えて下さいました。
三階部分のロフトスペースも、スッキリ清潔になりました。
打ち合わせは毎回とても楽しく、シッターさんと思う存分遊べるので、息子は「おれ、ここに住みたいわあー!」と言っていたほどです。洋介さん清香さんのご長男にも遊んでいただきありがとうございました。お兄ちゃんいるの?とその後息子は毎回聞いておりました。
思春期の娘はこだわりが強く、そんな彼女の特性を洋介さんは喜んでくださるので、子育てに苦労してきた私は花丸をもらえた小学生のような気持ちになり、思い描くいろいろなことを素直に相談できたように思います。
初めての家づくりは大小様々な不安も襲って来たのですが、皆様本当によくしてくださいました。一つ一つ丁寧に教えて下さり、待って下さり、ご提案下さり、限りある予算の重圧で迷いの中にいる私達をより良い方へと導いていただきました。庭が庭が…と呟く私に、まずは家の中を整えましょう、とご指南いただき、地に足のつかない私達の計画がこうしてしっかりと形となり感慨深いです。
生まれ育った土地ではない場所に家を持つ事は大きな覚悟が必要でしたが、家族の今と向き合い、未来を想像する中、洋介さん、清香さん、スタッフの皆様、現場監督の峠原さん…おおらかで、たおやかで、住暮楽ハウスの居心地の良さを体現しておられるような皆さんに出会えたことは、本当に幸運だったなあと思います。皆さんのお力で出来上がったこの家が、私たち家族をしっかり守ってくれることを確信しています。この出会いに感謝して、長く大切に暮らしていこうと思います。これからも、どうぞよろしくお願い致します
(すみくらつうしん2023年3月号より転載)