
いかがお過ごしですか?情報
住暮楽で家を建てられたお客様自身の文章を掲載しています。家づくりのヒントになれば幸いです。
Sさん10年の暮らし
今回、住暮楽さんで家を建ててから、約10年暮らしたことについて原稿の依頼がありました。2回目のすみくら通信ですが、せっかくの機会なので建築当時から色々と思い出しながら原稿を書き始めております。
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10年前に住宅を建てる時に、色々なハウスメーカーや住宅展示場を訪れては、何か違うなと悩んでいたところに、すみくら通信や展示会がきっかけで依頼することになりました。
当時は土地探しも半年以上悩んでいましたが、当時の社長(岸本八郎さん)が‘大丈夫ですよ’の一言で現地に決めた記憶があります。
思い出せば、初めての家づくりで悩んだり困ったりした時に、今の社長の洋介さんから、‘大丈夫ですよ’、‘なんとかなるでしょう’の言葉に押されたり励まされたりして、家づくりが進んでいた気がします。
設計図の打ち合わせ、銀行と相談、内装の変更の微調整など色々大変でしたが、その分住み始めてからは気持ちよく過ごしていました。
ただ10年も経てば家族の環境も周りの環境も変化していきます。
北大路ビブレがイオンになりましたし、近くの街並みも少しずつ変化してきました。
大きな環境の変化は温暖化でしょうか。
住暮楽さんで家を建てたよかった事は季節に関わらず快適だった事です。
まずは京都で暮らすには、暑さと寒さの対策が暮らしやすさに繋がります。改めてセルロースファイバーの断熱とOMの空調が季節にかわらず快適に過ごせる理由だったと思います。
夏の気温は北区でも40度を超えることが度々ありました。
新築当時は今ほど酷暑ではなかったので、エアコンは1階リビングと和室のみに設置していましたが、熱帯夜のため2階寝室が寝苦しくなって、2階南側の部屋に2台エアコンを追加しました。北側の部屋は追加しませんでしたが、冷気が届くので、困ることはありませんでした。
暖房については、ペレットストーブを設置したことが良かったです。冬の入りと春先ならOMの暖房で十分でしたが、厳冬期は燃焼の輻射熱が一番暖まります。
ストーブは毎日の掃除と定期的なメンテナンスが必要なので、煙突掃除なども考えると1階リビング玄関近くの設置が良かったです。
あと輻射熱は2階の部屋まで届くので、南向き寝室は下からの熱で冬でも暑過ぎたくらいでした。ストーブを設置するなら立体的に検討をした方が良さそうです。
ペレットストーブのランニングコストですが、シーズンでペレット100袋程度を使っていました。だいたい1日で一袋程度です。
10年前の価格は一袋500円でしたが、この2年間で700円まで値上がりしましたが、快適さを考えれば低コストだったと思います。
当時はあまり考えずにOMソーラーと太陽光パネル、お湯張りまで全部選択しました。太陽光発電は電力会社の買電額次第なので、正直なところ収支はプラスにはならなそうです。それでも断熱が十分なので、夏の電気代は高くても2万円/月を超えることはありませんでした。
ガス代もお湯張りができる季節は2000円台でした。残念ながら冬は5000円を超えました。ガス代の多くはお湯沸かしのようです。実感としては電気代よりは得をした気分です。
他につけて良かったものもあります。
玄関に手洗いを設置しましたが、当時は洋介さんに‘それ必要なのかな?’という顔をされましたが、ご存知の通り感染症のため玄関の手洗いが一時流行っていたようです。
和室の月見障子も吹き抜けのミシン机も嫁が気に入っているスペースです。
回遊できるパントリーは食材やキッチン用品を収納し、炊事を邪魔せずにくるくる回れるので、一方通行よりは導線は便利でした。
洗面脱衣場とトイレ、クローゼットを全部まとめて、ロフトに干した洗濯物を吹き抜けからポイポイ下ろせるので意外と便利でした。
そのロフトですが、夏はかなり暑くて、せめて換気のための窓を東西方向に設置すれば良かったかと思います。日常的にロフトを使うのなら、それなりの大きさのエアコン設置は必要と思います。3階のエアコン後付けは大変なので、新築の際には冷房についてはかなり検討が必要です。
自宅の設備でこうしておけば良かったことはいくつかありました。
Net環境ですが、新築の時は、電話回線関係を隠したくて一番奥の北の和室に設置しましたが、wi-fi電波が思ったように届かずに、結局リビングと吹き抜けなどに中継機をいくつか用意することになりました。間取り次第ですが、wi-fiの電波の届き具合が想定できないので中継機も含めてゆとりのある計画が必要でした。
それに付随して、思った以上にコンセントは必要になりました。
家篭りが増えて映画のサブスクが普及したり、ネットゲームも発達したり、スマホ、タブレット、パソコンなども含めて想定より電化製品を使うことが多くなりました。各部屋にコンセントはプラス1〜2、リビングはプラス3〜4でも良かったかもしれません。
在宅勤務という働き方も必要になりましたので、元々の光回線に加えてVPN回線と別の光回線を3回線も引いた時期もあって、工事の担当に4本目は無理ですよと言われました。通信関係は拡張しやすい配置を検討しておいた方が良いです。
快適に生活するために家を建てることを決めて、10年が経ちました。
家族の環境はプラス10歳分変化しました。息子は進学で一昨年から家を出て一人暮らしを初めており、最近は夫婦二人とインコ3匹で過ごしておりました。
いちばん大きな環境の変化はその事だったと思います。
だからといって何か生活に大きな変化はなく、少し家が広くなったなと感じながら身近な京都の四季の変化を日々楽しんでいました。
この先の10年もどのような変化があるかわかりませんが、また楽しんで暮らしたいと思います。
(すみくらつうしん2025年8月号より転載)